一般記事

債券金利からの為替相場考察

はじめに

本記事は、将来繰り返して使う事ができるであろうロジック(着眼点)です。

ぼくはテクニカル分析を主な根拠としてトレードを行っていますが、より精度を上げるために債券金利やその他指標は確認しています。

外国為替取引におけるテクニカル分析は明確な取引数値、債券金利や資金需給は明確な取引理由を教えてくれるのです。

初心者の方は自身のトレードスタイルやテクニカル分析が確固たるものになった際に、改めてご確認いただければと存じます、

執筆時点と状況が異なっていても、ロジックに触れることで米金融政策、ドル資金需給などがチャートに何らかの変化を与えている可能性があることに気付けるようになるでしょう。

英・EU合意、再燃する「英離れ」懸念 ポンド資産への逆風続く: 日本経済新聞17日の欧米外国為替市場で英ポンドは急伸した後、そう間を置かずに押し戻されるなど荒い動きだった。ー 日経新聞

トレードを教えている方には、”米金融当局のバランスシートの拡大の意味” について手取り足取りお話ししましたが難易度が高かったようです…

ブログではシンプルな債券(金利)視点で為替相場の考察を記述します。

10月FOMCで詳細発表されると思われていた、
Fed のバランスシート拡大について
11日(金)に内容が明らかになってきました。

Fed 10月15日から短国買入(毎月600億ドル)
最低でも2020年の第二四半期末まで継続

そして、現在行われている翌日物のレポ取引資金供給オペについても

Fed 翌日物のレポ取引ドル資金供給オペを2020年1月まで継続

短国(短期国債)買入については、8日の National Association for Business Economics annual meeting での講演でパウエル議長が自ら触れた話です。

人々の注目は量的緩和(QE)に向いたわけですが、議長はきっぱり否定しています。

ただ、Fed の本気度は感じられます。それは量的緩和に対してではなく… 米中貿易協議の行方も踏まえて、為替の道筋も大まかに見えてきましたね。

オプション建玉見合いのトレードもご参考にしていただけると、ご自身の取引に幅が出ると思います。

他にも、簡単な需給要因ですがオーバーナイト GC取引から見るドルの需給も見ていると為替トレードに役に立つかもしれません。

非特定銘柄取引(General Collateral)
GC取引とは、債券の銘柄を特定しないで行う債券貸借取引をいい、資金取引の要素が強い。言い換えれば、債券を担保にして資金の運用・調達を行う取引

債券(金利)視点での為替相場分析

今回は、冒頭に書いた内容を、実際に通貨ペアに適用して、債券(金利)視点での為替相場を考察してみたいと思います。

USDJPY

1:USDJPY
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この赤線のサポートからレジスタンスに変わって2回目に触った所(黄色の四角の部分)

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取り敢えず、ドル円をここで売ってみました。

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10月11日トップだった 106.61 で跳ね返っていますがショート継続。

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16日東京時間の朝8時(チャートの時間では16日ロンドン0時)に大きなロングポジションが入ってきています。

FXオーダーブック(オープンオーダー・ポジション)OANDA JapanOANDAオーダーブックとは、世界中に顧客を持つOANDAグループの顧客の取引状況をグラフ化したものです https://www.oanda.jp/lab-education/oanda_lab/oanda_rab/open_position/

一般的に、
買いが溜まると上重く(上昇しにくい)
売りが溜まると下堅く(下がりづらい)
ため OANDA は絶対ではありませんが参考程度にはなります。

16日ロンドン21時現在の OANDA オープンブックを見ると、
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直近ロングが溜まってきている感じに見えます。

ドル円ショートの理由
1:チャートレジスタンスに触った
2:ロングが溜まってきている
3:10年金利のレジスタンス

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最後に、
4:昨日一昨日のオーバーナイト GC レポの上昇は「10月発行の米国債の支払日に必要な足元のドル資金需要。18日までには落ち着いて 2% 割れてくるだろう」という憶測。
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https://apps.newyorkfed.org/en/markets/autorates/temp

この需給要因だと思われるのが米国債の支払日絡みだと推測します。
この右側の部分が支払日(受渡し日)
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つまり、ドル需要があるという事になります。

9月16日から始まったドル資金枯渇問題は記憶に新しい所だと思います。
ドル資金枯渇問題の理由として考察しているものはこちらでは割愛させていただきます。

最近のメイントピックは、レポ取引ドル資金供給オペからの短期国債買入、量的緩和(QE)が年末、そして来年の想定されるであろう米金融政策を理解するための道しるべになると想像しています。

先月9月の米国債
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先程掲載した米国債の入札日、支払日の9月の部分を見ると16日が支払日になっていて、その後にも新規発行の支払日があることが分かります。

そこで、気になるのが15日、16日の Zerohedge のツイート。

<blockquote class=”twitter-tweet”><p lang=”en” dir=”ltr”>OVERNIGHT GC REPO FIRST TRADES AT 2.04%/2%, NOW 2.02%/2%: ICAP</p>&mdash; zerohedge (@zerohedge) <a href=”https://twitter.com/zerohedge/status/1184063248284319744?ref_src=twsrc%5Etfw”>October 15, 2019</a></blockquote> <script async src=”https://platform.twitter.com/widgets.js” charset=”utf-8″></script>

<blockquote class=”twitter-tweet”><p lang=”en” dir=”ltr”>OVERNIGHT GC REPO TRADES AT 2.08%, ACCORDING TO ICAP<br><br>starting to rise despite repos and QE4</p>&mdash; zerohedge (@zerohedge) <a href=”https://twitter.com/zerohedge/status/1184424840599613441?ref_src=twsrc%5Etfw”>October 16, 2019</a></blockquote> <script async src=”https://platform.twitter.com/widgets.js” charset=”utf-8″></script>

IOER 1.8% 近辺、1.8 – 1.9% くらいだった OVERNIGHT GC REPO が15、16日と 2% 越え。
先月に続いて、ここで足元のドル資金需要が出てきたということになります。

円からのドル需要は特に強いので、ドル円は高止まりしているのかな?と想像して、ドル円ショートをキープ。

レポレートは17日、遅くても18日には落ち着くと思います。

OVERNIGHT GC REPO は、市場での翌日物レポ取引のことです。
GC は General Collateral という意味。

GCレポ取引|証券用語解説集|野村證券野村證券のGCレポ取引のページ。資産運用や退職金・相続などのご相談なら野村證券。株、投資信託、債券、ファンドラップ、NISwww.nomura.co.jp

資金調達時に担保として差し出す債券の銘柄を問わない、つまり「同じお金借りるのに一番出しやすい債券でいいよ」というのが GC。

余談ですが、逆に債券を借りたいとき(例えばショートしているとき)それもその債券が市中に量がない(希少価値がある)なんて時は高いレートでもその銘柄をチョイスして借りに行きます。それが SC。

簡単に記載しましたが、テクニカル分析的には言わずもがな、債券(金利)的にはこの4つの理由でドル円ショート、まだキープしています。

EURUSD

ユーロドルも USDJPY セクションで書いた理由が当てはまると考えられます。

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9月末までのドル資金需要でユーロ売り・ドル買いで下落。
10月期初に入ってからは綺麗なドル売りでユロルは上昇。

特に、ドル資金を余計に確保した部分の払い出しになっているとも伺えます。

通常時であっても、余分にドル資金を確保するということが市場では常に起きています。
zerohedge や 他メディアでもレポートの上昇が止まらない、量的緩和か?などと騒がれていましたが、今回は特に確保したドルが多かっただけなのだと思われます。

年度末は念のため多めにドル資金を調達するということをして、最後は逆に払ってくるということは多々起きています。

ユーロドルの流れは9月末までドル高、期末超えてドル安。
この流れはドルインデックスでも同じ流れです。

米指標の悪い数字からのドル安も併せて
ユーロドル買い、ドル円売り
になったと考えることができます。

15日からはこの逆。
欧州時間 8:00 – 13:00にユロルが売られています(ドル買い)。

USDJPY セクションに書いた、
翌日物レポレートが上昇 = ドルニーズ = ユロル売り
となりました(黄色の長方形の部分)
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ここでしっかりドル需要が生まれているのです。
しかし、ユロルは買い戻されています。
一回目の黄色の長方形の後の戻しは、
英国の EU 離脱の草案がまとまるのではないか?
https://www.nikkei.com/article/DGXLASH2IILM3_V11C19A0000000/
というヘッドラインの欧州通貨買い

このときはドル円も上昇したので、
ポンド円 ユーロ円
の買いも入ったと考えることができます。

2回目の黄色の長方形の後の上昇は特にヘッドラインは見当たりませんでしたが、10月 FOMC 利下げ織込み度がほぼ90%まで上昇。
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つまり、ドル安要因になります。
ドル安の流れは変わっていないのでは、と推測できます。

また、薄い黄色のチャネルの上限が抜けたことについては、ショートカバーが入ったのではないか、と推測されます。
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OANDA を見ても、基本ユロルはショート(ポジティヴキャリーの為 – ドル金利の方がユーロ金利の方が高いのでドルロング・ユーロショートのポジションが金利収入になる)。

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いつものユロルメインチャートでも
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赤の矢印の部分が抜けてきてしまっているので、もし17日の欧州時間朝からドル資金供給オペまで、ユーロ売り・ドル買いが入らなければ、ドル安の流れで行くのではないか、と考察します。

因みに9月16日のドル資金供給枯渇問題が表面化した時のレベルまで戻ってきています。
そこに、Fed のレポ取引資金供給オペ、その延長、継続。そして短国買入。

理論的には「ドル売り継続、ユロルは上昇」
但し、ブリグジットに何か問題が生じると「ユーロ売り・ドル買い」
リスクオフ、10年ドル金利は低下で「ドル売り・円買い」
ユーロ円は売り方向に戻されると思いますが、現状の報道を見ている限り10月31日に何らかの形で決着をつけるのではないかと。

考えすぎかもしれませんが、そうなると欧州通貨高(ポンド・ユーロ高)に振れてしまうのは間違いないので、そこを英国政府・欧州政府・BOE・ECB がどう考えるのか?現在は通貨安戦争なので。

(但し、ポン円 4H エリオット的な選択肢は ① a波戻し ② 5波継続 ③ b波上昇 のイメージ)

結局、ブリグジットは EU 崩壊の第一歩だと市場で考えられているので、一時的なドル資金の需給が落ち着いてくれば、
欧州通貨売り
になると考えることができます。

これもアメリカ、欧州の追加緩和次第(追加緩和は自国の通貨安に繋がります。米国が追加緩和すればドル安、ECB がすればユーロ安)

ユロルの最後に 10:00 NYカット オプション建玉からの考察

コールオプション、プットオプションの建玉が多いレベルに注目する市場参加者は多いため、オプションバリアと呼ばれています。

ターゲットバイイング(バイライト)、カバードコールという様な手法が機関投資家は使用し、その裏側のポジションを業者(投資銀行、証券会社)が取らされる。

そして、デルタヘッジにより、バリアとなるのです。
ここでは割愛します。

16、17日のユロル市場

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16日の NY カット
<blockquote class=”twitter-tweet”><p lang=”en” dir=”ltr”>FX option expiries for Wednesday October 16 at the 10am NY cut <a href=”https://t.co/ioscO6oam2″>https://t.co/ioscO6oam2</a></p>&mdash; ForexLive (@ForexLive) <a href=”https://twitter.com/ForexLive/status/1184277064385486848?ref_src=twsrc%5Etfw”>October 16, 2019</a></blockquote> <script async src=”https://platform.twitter.com/widgets.js” charset=”utf-8″></script>

青色の線の引いたレベルが16日の NY カット

前出の米国債支払日による足元のドル需要から欧州朝はユロル売り。下は、1.1025 で止まっています。そしてドル資金供給オペが終わった瞬間からユロル買い。NY カットの少し前に 1.1057 で止まっていますね。

1.1025 は 10億ユーロ(EUR 1bn)、1.1057 は6.12億ユーロ(EUR 612m)の建玉が観測されています。基本10億通貨ユニット以上は特に意識されるレベル。

特に、ブリグジットの報道から欧州通貨が買われやすい地合いという事象を見越しての期待値が、ロングだったのだと思います。

次は17日の NY カット

<blockquote class=”twitter-tweet”><p lang=”en” dir=”ltr”>FX option expiries for Thursday October 17 at the 10am NY cut <a href=”https://t.co/lemStTrqM8″>https://t.co/lemStTrqM8</a></p>&mdash; ForexLive (@ForexLive) <a href=”https://twitter.com/ForexLive/status/1184638835981979649?ref_src=twsrc%5Etfw”>October 17, 2019</a></blockquote> <script async src=”https://platform.twitter.com/widgets.js” charset=”utf-8″></script>

オレンジ色の線の引いたレベルが17日の NY カット

これを見ると、1.1090 + 1.1092 の建玉で約14億ユーロ(EUR 1.398bn → 717m + 681m)あるのでここは重くなる可能性が高いでしょう。

そして、1.1100 ドタという心理的抵抗線もあります。

下は、1.1050 5.8億ユーロ(EUR 580m)と 1.1000 ドタ 7.18億ユーロ(EUR 718m)。

こちらはどっちかというと薄いイメージ。

17日のドル資金需要があれば欧州時間朝はユロルは下向くと思います。
そこは一旦ロングしてもいいかなと思います。

このオプション建玉の情報は下記に載っているので参考にしてみて下さい。
Forexlive | Forex News, Technical Analysis & Trading ToolsForex news from ForexLive. The fastest Foreign Exchange markewww.forexlive.com

しかし、オプションバリアはあくまでバリアなので、必ず突破されないということはありません。

ファンダメンタルズでも機関投資家の需給があっても、それ以上の需要があればバリアは吹き飛ばされます。あくまで参考レベルにして活用していただけると幸いです。

まとめ

ぼくのトレードは、テクニカル分析をメインに様々な視点も添えるようなトレードをしています。

本記事は初心者の方はまだ習得しなくていい内容ですが、玄人以上の方は是非参考にしていただき、ご自身のトレードの幅を広げていただけますと幸いです。

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オノノ
こんにちは専業トレーダーのオノノです。 元々はIT企業でプログラマーとしてシステム開発に携わっていました。 このサイトでは国内外問わない投資情報や分析情報など、あなたに役立つ情報を発信していこうと考えています。
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